鷺沼という土地には月見堂という不思議な夫婦が営むお店があります。今回、ここに注目したのは、この夫婦が2009年の5月16日に行った即興演奏のライブがあまりにも美しく、神々しく、素晴らしかったからです。彼らが一体何者であるのかは、ひと言ではなかなか言い表せません。「前衛音楽家」という単語を使うこともできるし、「ショップオーナー」というわかりやすい単語を使うこともできます。明らかに普通の人とは違った表情を浮かべる彼らは、めったに出会えない生き方をしている人たちのようです。
鉄割アルバトロスケットという舞台芸人の集団があります。鉄割の舞台は、4コマ漫画をロックな演劇にしたような、彼らからは、そんな印象を受けます。何も断定しないし、何も押し付けてこない。オチがあるようなないような、短い演目が淡々と舞台の上で繰り広げられていく。お客さんたちが笑うポイントは、まったく一致していない。それぞれ各自がみんなバラバラなポイントで笑う。コメディではあるのだが、お笑いでは決してない。1997年の旗揚げから12年の歳月を経て、いよいよ脚光が集まる鉄割から、脚本の戌井さん、演出のみさをさん、役者の村上さんにお話をおうかがいしました。
近代的絃楽器と伝統的絃楽器。そのコントラストを楽しみたいと、先週に続き訪ねたのは、「三味線かとう」です。同店があるのは、路面電車が往来する東京の下町、荒川区。淡い懐かしさ漂うこの界隈に、チトシャンベンベケとあの三味線の音が響きます。でも、その音、実はフツウの三味線の音とはちょっと違う。何と、その音には電気が通っているのです。エレキ三味線? うーん、何やら色物的な響きですねー。ところがどっこい、同店には、蒼々たるプロの三味線プレイヤーたちが顧客として名を連ねる。さあ、一体どうしてでしょう?