鎌倉にある湘南モノレール・片瀬山駅にひっそりと佇む器のギャラリーがあります。そのお店の名前は「うつわ祥見」。鎌倉ならではの閑静な住宅街に潜り込むと、その看板は出ています。そして、看板の先には高台の上に感じの良い建物が立っている。そう、ここが「うつわ祥見」です。どういうわけか、このギャラリーでは、平日の昼間から、お客さんが引きも切らずにやってきます。このご時世、決して便の良い場所ではないのに、お客さんが集まってくる。そんな不思議な空間を切り盛りする人物は、ライター兼エディターでありながら、音楽のコーディネートのお仕事もこなすなど、多岐にわたって精力的に活動されている、祥見知生さんです。この人物には、不思議なことに、ご自分のビジョンを次々と現実のものにする力が備わっているようです。その秘密を、お茶飲みがてらにお邪魔して、探ってきました。
素敵な使い心地の櫛。そんな櫛を求める声は、女性たちの間では、あたり前のようにある声でしょう。しかし、現在、巷にあふれるのは、そのほとんどがプラスチック製のもの。人工物だから悪いものだとは言わないまでも、もっと他にもあるはず!そう思う乙女たちは決して少なくないでしょう。そして、現代においては、男性諸子だって、良い櫛を使いたいものです。何故なら、それは、良い櫛は何となく頭皮にも良さそうですから…。つまり、ハゲ予防!そこで、ふと思い浮かべたのが、老いて尚、綺麗な髪の祖母が使っていたあの櫛です。「ツゲ櫛」。祖母の口をついて出てきたのは、たしかに、そんな単語でした。そんな覚束ない記憶を頼りに訪ねてのは、鹿児島県は薩摩半島の南端に位置する指宿にあるつげ櫛屋さん、喜多製作所です。
鹿児島県にある桜島は、鹿児島に住む人々にとっては心のシンボルとも言える風景なのでしょう。半島である桜島にそび立つのは、御岳と呼ばれる活火山。この火山が、現在も小規模な噴火を繰り返しています。桜島焼は、桜島の火山灰と温泉水を使ってつくる焼き物です。桜島ならではの素材を用いた陶器。ここには、この土地の心が映されているのでしょうか、見る人に自然の豊かさと原始的な荒々しさを印象づけます。この桜島焼きをつくるのは、桜島の麓に店を構える桜岳陶芸。この窯元、伝統から数代と続く窯元ではありません。なんと、この窯元、ある男の人が一代で築き上げたという一風変わった窯元なのです。